『キュウレンジャーVS』へ寄せて(死ぬほど見たかったジュウオウジャーの話)
【2018.06.02】追記しました。
【2018.11.25】追記しました。まさかこんな日が来るとはな。
『キュウレンジャーVSスペスク』が公開されて数日。
悪側に行ったハミィちゃん・分裂するチーム・何故か登場するスーパー戦隊の悪役・何故かコラボするスペスクの不安の事前情報から一転、TLでは好ましい評価が上がっていて良かったと思います。
だけどここからは、成仏できないジュウオウジャーファンの愚痴。
東映公式内部でどんな動きが具体的にあったのかは分からないけれど、恐らく2017年冬〜2018年春で何らかの区切りをつけたのではないかと察せられる事態があった。
『MOVIE大戦』シリーズの集大成とも言える(そしてガバガバスケジュール革命とも言える)『平成ジェネレーションズ FINAL』の公開。
毎年博打のように公開していた、所謂『春映画』の終了。
そして、前作戦隊と過去戦隊がコラボする『VSシリーズ』の終了。
といっても公式にアナウンスがあったわけではなく(そこが問題。後述)、関係者のツイッターアカウント等での情報を基にした大まかな内容だ。
まず前提として、私は『宇宙戦隊キュウレンジャーVS動物戦隊ジュウオウジャー』を凄く観たかった。
ぶっちゃけ、今でもその気持ちは変わらないし、燻っている。
VSシリーズは基本的に"毎年あるもの"だ。
例外はこれまでの戦隊にちょくちょくあるけれども、近年においてはその歴史が絶えず続いていた。
当然『キュウジュウ』も期待されていて、ジュウオウジャーのキャストも、Gロッソでの舞台挨拶やFLTでのトークショーで度々「またVSでも会えるかもしれない」と口にしていたし、それに何の違和感もなかった。
先行きが悪くなってきたのは、個人的な感覚で言えば11月〜12月辺りだったように思う。
平ジェネFの情報が徐々に出されて該当作品のファンが悲喜交々胸を抑えていた中、年始には公開されるはずのVSシリーズの情報が全くないことに気付き始めていた。ジュウオウキャストのツイッターで新しい仕事を匂わせられるもキュウジュウではないらしいと肩を落とす中で、いくら突貫的なスケジュールを組む東映と言えどもう無理だろうと察せられる時期に突入した頃、もうキュウジュウはないんだ、と分かっていた。
そしてこのツイート。
上述したうちの二つ、『冬映画』と『春映画』がここにきて変化したことについて述べられている。
特に『春映画』は(シリーズとしてのフォーマットが定まった)2011年の『レッツゴー』以来続いてきた作品だけれども、『冬』『夏』に比べて明らかに賛否両論の入り混じった──というか個人的に見える範囲では批判の方が多いのに対し、なおも根幹的な作風は変わらなかったシリーズだった。ヒーローが沢山集まって本当にどんちゃん騒ぎできる場も他に無かったため、それが急に消えるなんて寝耳に水の騒ぎだった。
ここでは『VS』について明言されていないものの、予算の話が出た以上恐らくはここで(アマゾンズの事もあり)春映画と共に一緒に削られてしまったのではないか、という見方を当時していた。
ジュウオウジャーはスーパー戦隊40作品目記念であり、区切りでもある。その次のキュウレンジャーはこれまでのスーパー戦隊の世界とパラレル扱いにしているのもあって、VSシリーズを切るならばジュウオウとキュウレンの間はいい機会でもあると、正直思った。
そこから『キュウジュウ』について、にわかに騒がしくなったのは今年の1月。
白倉Pのこんなツイートがきたのがきっかけだった。
まあまずは、気になるからといって広報担当用でもないアカウントの全然関係ないツイートに、そんな仕事に対しての話をぶつけるのがお門違いなんだけども。
対して答えた白倉Pのツイートは解釈を受け手に委ねるようなもので、実際どのような意図なのか私も頭を悩ませることになった。
今年の戦隊は『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』
かつてのハリケンジャー&ゴウライジャー(&シュリケンジャー)のような図を、明確に『戦隊と戦隊』という形で押し出したスーパー戦隊になる。
今年TVでやる『VS』とはどの事か?
ルパパトがあるからキュウジュウはやらないよ、という事か?
キュウジュウはTVでやるから映画ではやらないよ、という事か?
前者の方が意味は通りそうだけれども、質問者の意図は(「映画」が強調されているとはいえ)あくまで「キュウジュウはどうなっているのか」がメインのはずだ。
『ルパパト』と『キュウジュウ』は全然違い、両立できるもののはず。
「ルパパトがあるからキュウジュウはない」は意味が通らない。
これはもしや、遅れてTVSP等でやるのでは?と期待が浮かびもした。
浮かんで消えました。
これを読んだ時の衝撃。
他にも理由はあるとぼかされてはいるけれども、読める理由ですらわけがわからない。
同一フォーマットの番組同士?本当にVSに関係ありましたかそれ?
例え「1話完結型」でも「1年間ずっと話が動いていく型」でも、VSという1時間の枠に収まる範囲には何ら関係のない筈だ。
ジュウオウはその両方を合わせた「1話完結型を基本にしながらも毎回話は進んでいる」という形を戦隊シリーズの中でも貫いていた番組だったから、前年の『ジュウオウジャーVSニンニンジャー』であっても全く同じフォーマットとは言えない。
仮に「フォーマット」というのが「作風」を指すにしろ、連続して同じ作風が続かないようにしているのが誰でもない東映だったはずだ。
そういう話はちょくちょく出てくるし、ライダーであれ戦隊であれ、前年度と意図的に作風を変えているのは観ていれば分かる。
そして「作風が違うからこそ面白い」というのが誰でも分かるコラボの原点じゃないのか?
しかも「キュウレンにはそぐわない」って何だそれは。
まるでジュウオウジャーが悪いような言い方で。
そしてトドメの、「『戦隊VS戦隊』と『前戦隊VS前々戦隊』はワケが分からない」という理由。
まず、例年通りVS映画がやる時期は大体現戦隊が終盤に差し掛かっている辺りだ。東京住みの私が『ジュウニン』を観に行った日はジュウオウジャーの最終回の翌日で、更にその2日後には上映終了というタイミングだった。
つまり、上記の2つは本来そもそも時期的に並列しないのだ。
そして。
このツイートツリー。質問したアカウントさんは白倉Pのツイートに反応したものであり、その元ツイートは何なのか。
『キュウレンジャーVS スペース・スクワッド』
VS
スペース・スクワッド』
ごめんなさいもう当時こんな余裕なかったです。
『前戦隊VS前々戦隊』はダメで、『前戦隊VSメタルヒーロー』はOKなのか。
パラレルワールドという存在が明確にされているのはジュウオウジャーも同じなのに、宇宙って繋がりだけでスーパー戦隊でも何でもないギャバンが優先されるのか。
TV本編でコラボした繋がりがあるっていうなら、鎧武VSキカイダーとかも映画やVシネをやるべきではなかったのか?
私は、ギャバンはじめ、メタルヒーローを蔑ろにするつもりはない。
ただ、同じスーパー戦隊、しかも前年度の先輩枠であるジュウオウジャーよりも彼らの方が優先されたという事実、それも下手くそな言い訳にもならない言い訳付きで、公式に属する人ではあるけれども正式なリリースではない一個人のアカウントで発信されて、それでおしまいにされた。
許せなくて遣る瀬なくて仕方がない。
いつからキュウレンとスペスクの組み合わせが決まっていたのかは分からない。ただ前年の春頃にジュウオウキャストがほのめかしていたことから、その時点ではまだ決まっていなかったことは確実だった。VSの事に言及したのは一度や二度ではなく、仮にその時点でスペスクが有力だったのなら流石に公式から止められるだろう。
これは私の想像でしかないけれど、キュウレン本編でデカレン&スペスクとコラボした時、誰かが「これはいける」と踏んだんじゃなかろうか。そして本来やるはずだったかもしれないキュウジュウの予算が、アマゾンズなり、キュウレンVシネなりに消えた。
40作品記念の節目ではあるけれど、ジュウオウとキュウレンは対比できるポイントが多かったように感じる。その象徴たるものが『宇宙と地球』だ。根を下ろす場所が全く違っても、生き物は繋がれる──という話をジュウオウはしていた。
だからこそ期待していた。共通点ではなく対比から始まるコラボも、十分意味を成したはずだ。というかそれが『コラボレーション』なんじゃないのか。
今はもう爆弾ツイートも過ぎ去り、穏やかな日常が戻ってきたように思う。ジュウオウキャストのみんなも、それぞれに活躍している。私も國島くんの舞台に足を運んで、Gロッソで観た時の感想「この人すごく舞台に映える」を改めて噛み締めたりなどした。
だけど、『ヒーローママリーグ』の情報や、歴代戦隊のヴィランズ登場みたいな話が出てくるたびに、キュウジュウの事を思っては辛くなる。それはキュウジュウではダメだったのか、キュウジュウよりも優先されるべき事柄だったのかと考えてしまう。多分これからもそうだ。
キュウジュウを無くしたのだから、その企画はキュウジュウよりも良いと公式が推した、そんな事実がついて回る。
それがどんな面白そうな企画であっても、諸手を挙げて喜べるわけがない。
キュウジュウが無いんだなと悟ってきたあの頃、そのまま何もなくフェードアウトしてくれるならそれはそれでよかったのだ。だけど神経を思いっきり逆撫でされたから傷になった。言うなら言うで、個人のアカウントではなくきちんと何かしらの公式で情報を出してくれるのならまだ傷は浅くて済んだ。
アマゾンズでの発言もあるし、私自身は白倉Pの事を好いてはいない。あれを引きずって、興味が湧いてもアマゾンズ視聴に踏み切れない。だけど今回の件の首謀者が彼だとか、そういうことは言えないし、事実じゃない。
東映は悪の組織ではないし、白倉Pがその首領というわけでもまたない。ただの会社と会社員(重役?)だと分かっている。結局キュウジュウを潰したのは会社としての総意になり、白倉Pはそれが表面に出てきたに過ぎないだけ。
分かっている。分かっているけれど、だからといってこの人に好き勝手言われて、そのままハイハイで済ませられない。済ませられるわけがない。
繰り返すけれども、私はキュウジュウを観たかった。観たかったけれども、無くなるならその覚悟はあった。
それなのによりにもよってジュウオウジャーの最後へ、会社としては明らかに駄目なやり方で泥を塗られた。本来ならその作品を守る側だったはずの会社がやりやがった。筋としてはジュウオウよりも通らないギャバンを出したこと、それに対して意味不明な理由を取ってつけたこと、「ジュウオウの最後はどうでもいい」と言ったようなものだ。
じゃあ一体どこの誰がその作品を作ったんだよ。
あの春映画が数年続いたことを知っているから、今更こんなブログでどうにかなるとも思っちゃいないけど、せめてこの時の話を残したかった。
他に誰か1人でも、キュウジュウを想ってくれる人が増えたなら嬉しい。
動物戦隊ジュウオウジャーはとても素晴らしい作品だった。
(後日談)
というより今回のオチ。或いは個人的な落としどころ。ここから先は本当に私の個人的な回想です。
キュウレンジャーの事が好きな友達とGロッソに行く事になった、忘れもしない2月24日。友達は心配していたようだったけれど、流石にひと月も経れば落ち着くし、何しろ私が本格的にジュウオウジャーにハマったのは遅すぎるGロ5期での事だった。
そして分かっていた通り、やっぱり素面のキャストはカッコよかった。何しろ1年間やり通しただけの実力がある。脂の乗った前戦隊キャストと、戦隊撮影の中で若い盛りとも言える頃の現戦隊キャストがコラボするのがVSの楽しみでもあったけれど、Gロッソで図らずもその半分は叶ってしまったわけになる。
連続で公演を取ったその日の4回目。台詞がそれまでと違った。スパーダのアドリブシーンで放たれる「本能覚醒!」サソリオレンジがイッカクキュータマを使って口にする「野生大解放」シシレッドオリオンが現れた際に宣言する「俺の運、舐めるなよ」。
ああ、そういう回なんだと分かってしまった時、人目を憚らず号泣した。友達をサポートするつもりで行ったつもりが、逆に私が介護される結果になった。
その日の夜、食事をしにテーブルへついた間際、友達がツイッターで当該ツイートを見せてくれた。
それは、ジュウオウキャストがその回を観ていたというキャスト本人のツイートだった。
憎さ余ってキュウレンのことを嫌いになりかけたりもしたけど、ごめんなさい。キュウレン自体は良いと思います。ストーリーにツッコミ入れたりはしてるけど。鳳すごくかっこいいです。
願わくばキュータマダンシングするジュウオウを見たかった。
結局公式で踊ったの、Gロのアドリブみっちゃんだけになっちゃったね。
【追記】2018.06.02
コメント欄で渡邊さんの事故に指摘されており調べました。
あくまで私個人としては、その事を踏まえるとVSをやらなかったのは真っ当であったかと思います。
『ジュウニン』の公式HPがオープンしたのも前年の12月の事になりますので、『キュウジュウ』制作中、11/6の事故を受けて取りやめた……というのも考えられる話ではあります。
ただ、これが原因と決まったわけではないですし、私が悩んでいた本題はあくまで個人のアカウントによる適当な説明に関する事です。
『キュウジュウ』を観たかったですが、今は無くなること自体に対して拒絶反応を示しているわけではありません。あくまで、やらなくても良かった言及についての話になります。
『キュウジュウ』が無理だとしても、今後は他の作品においてそういうことが無くなって頂けるといいです。
【追記】2018.11.25
ソーコ on Twitter: "東くんのことだからルパVSパトVSキュウレンとかやりそうじゃん???????(安心と信頼)"
私は最初、『キュウジュウが出なかった』ことに悔しさと諦め半々の状態だったと思います。
ファンの一声が通って数々の内部の動きを踏まえて、もう最後の旬を逃す戦隊のVSを撮影しろなんて無茶が過ぎる。でも出されなかったことを諦めたくはない。悔しい。そんな思いでした。
それから上記のP発言を経て、怒りに変わりました。
渡邊さんの件も思い出して踏まえれば、(それが原因かどうかも分からないとして)やらなかった事は理解できるかと思います。
重ねてですが、それがなくとも「今から撮影して上映しろ」なんて冗談でも実現不可能な時期にまで入っていましたし。
でもそれと、Pのおこぼし発言問題は全く違います。
少なくとも彼の発言が無ければ、ここまで怒りたい気持ちになることもなかった。
ゾンズの発表会の件でも問題発言をぶちかました際に「こういうのが彼のキャラクターなんだよ」(記憶が曖昧)みたいな擁護をされていた覚えがありますが、
大の大人が、いい歳して、いい地位にいて、
それでいてTPOも弁えない発言をしていいわけがない。
炎上ネタだとしても、それを敢えて使う側は軽蔑されることも覚えておくべきではないでしょうか。
今回の件でも、無くていい発言をして混乱させたのは事実です。
仮にあの時に黙っていながらルパトVSキュウレンの発表をしていたなら、「どうしてジュウオウはやらなかったんだ」という声が上がるだけで済んだでしょう。
言ってることとやってることがめちゃくちゃ。
預言者になんてなりたくなかったわ畜生。
でも作品が発表されたのはいいよ!嬉しい!
ファンの人達もそうでない人達も盛り上がってくれればいい!
ただ、楽しそうな作品が発表されて同時にこんな怨嗟の声に包まれてほしくなかった!
でもこれ公式の自業自得だから!!
恨みたくないのに恨まなくちゃいけない、自然に消化するべきだったこの感情をわざわざ逆撫でしてきたのは他でもない公式なんだよ。
もう彼からツイッターを取り上げてください。それでもやるだろうけど。
こんな気持ちを背負うのはジュウオウで最後にしてください。
お願いします。